機能性表示食品におけるバリデーションとは

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国が設けた条件に合致することで、身体と健康に役立つと表示できるのが機能性表示食品の特徴です。その条件を満たすかどうかを考える時に大切なのが、バリデーション。製造やIT分野で良く使うバリデーションですが、イマイチ正確な意味は知らないと言う方もいるのではないでしょうか。

今回は、この言葉の意味と機能性表示食品における重要性について、紹介していきます。

バリデーション (validation)は検証や証明、妥当性の確認などを意味する言葉です。今では色々な業界に浸透している言葉で、作業工程が正しいか、設けられた基準に合致しているかを確認する、と言った意味合いで使われています。

機能性表示食品においても、しばしば耳にする機会があるでしょう。中でも一般的に知られているのが、機能性を証明するために届け出る資料に関するバリデーションです。例えば、資料データが正しい方法で作られており、妥当性があるかどうか確認することを「バリデーションをとる」と表現します。

妥当性を確かめたことを証明する情報は、「バリデーション・データ」と呼ばれる場合もしばしばです。ただ、横文字を使わずに、単に「資料につき、妥当性の検証が必要」と表現するケースも珍しくありません。このケースも、バリデーションが求められていると判断して良いでしょう。

機能性表示食品は消費者庁が管轄しており、一定の条件を満たした届出を行って、瑕疵がなければ受理されます。他の制度では許可制を採用しており、申請された案件ごとに詳しい審査を行うものもありますが、機能性表示食品は全くの別物です。

審査は形式的なものが中心で、許可制に比べるとハードルは低め。届け出た内容を詳しく調べることはしませんから、パッケージには「消費者庁による個別審査はしていません」と、表記がされます。ただし、だからと言って企業側が、根拠のない製品を機能的だと主張するリスクを考えると、対策が欠かせません。

当然ですが、根拠がないのに「機能的」と表示した製品が市場に溢れかえると、この制度の信頼は損なわれてしまいます。優良誤認表示を国が認めるような形にもなりかねません。そこで、届出の際にはエビデンスを証明した資料を添付する決まりを作りました。

企業は、この資料で機能性の科学的根拠を示す必要があります。この作業が大変で、実際に申請すると不受理扱いとなって差し戻され、修正を求められるケースは珍しくありません。この科学的根拠を示す時に重要なのが、バリデーションです。

例えば、成分の分析方法に妥当性があるかどうかについて、バリデーションを行います。好ましくない方法で分析した場合には、実際の効果より有用に見えるデータが得られることもあるためです。なお分析手法などを公開することで、第三者がバリデーションを行う場合にも役立ちます。

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機能性表示食品の届け出が受理されるためには、一定の条件を満たす必要があります。その条件は事細かに決まっており、消費者庁の公表しているガイドラインを使って調べることが可能です。ガイドラインはしばしば変更されるので注意が必要ですが、この記事を書いている2021年の時点で、「バリデーションが必要」と表記されている部分があります。

それが糖質・糖類とエキス等の分析方法に関してです。糖質・糖類とエキス等に関して、消費者庁は慎重な態度を示しています。これらの成分には試験を行って、その結果と方法はもちろん、妥当性を示すための「バリデーション・データ」を添付するよう、明記しました。

また、直接「バリデーション」と表記はしていないものの、ガイドラインの中には資料などの妥当性を要求している部分が複数あります。目や鼻のアレルギー反応や、主観的な指標を用いた機能性の評価に関する部分です。これらも、バリデーションが関係してくると考えて、差し支えないでしょう。

機能性表示食品で重要なのは機能性関与成分について知ること

届出のガイドラインとは別に、機能性食品を作る際には企業内で「バリデーション」と言う単語が使われる場面も多いです。この場合は食品やサプリの製造業における、各種工程や生産方法が正確かを確かめる業務を意味します。

製造業においては完成品が、一定の水準を満たすことが欠かせません。水準に満たない場合は不良品となり、損失に繋がります。中でも機能性食品は一定した品質を求められますから、できるだけ完成品のバラツキをなくすことが重要なテーマ。

そのために、製造工程が妥当かどうかを検証する作業は大切なのです。具体的な方法は現場によって違いはありますが、一般的には製造機器や作業の手順、品質管理の方法などを検証し、文書にまとめる場合が多いでしょう。

文書は作業マニュアルなどの形に整理して、各部署に配置しておくのも一手です。

3月の花粉シーズンに向けて機能性表示食品を活用しよう

せっかく届出を出しても、不受理になるとコストや時間を無駄にしてしまいます。

このため、機能性表示食品の制度を活用するなら、専門家のサポートを検討するのがおすすめです。特に糖質やエキス類に関しては複雑な規定がありますが、これ以外の品目についても簡単なわけではありません。

作用機序や安全性の確認など、超えるべきハードルが幾つもあります。その上で一部、バリデーションが要求されているわけですから、届出書を作るだけでもかなりの作業が必要です。しかも、機能性表示食品に関するガイドラインは大枠は決めていますが、細部の決定は企業側にゆだねています。

しかも、記述は具体的でない箇所も多いですから、実際には、どこから手を付けたら良いか悩む担当者も珍しくありません。もしも懸念材料が多い時は、届出のナビゲート役として専門家を活用すると良いでしょう。実際に届出を行ったものの、差し戻しが繰り返される場合にも有用です。

また、機能性表示食品の市場ニーズを確かめたり、訴求力を高めたりしたい時にも、相談できるコンサルティングがあります。

機能性表示食品の届出ガイドラインによると、バリデーションや妥当性の確認を要求するなど、担当者にとっては悩ましい部分が少なくありません。意味は何となく理解しても、具体的に何をすべきかで悩むケースも多いでしょう。

もちろん、妥当性以外にも気を付けたい箇所は散見されます。できるだけ短期間で届出を行い、受理される方が望ましいですから、専門家への相談も含め、慎重に検討しましょう。

機能性表示食品を販売するための届出やガイドラインについて

参考リンク⇒薬事法ドットコム:機能性表示申請https://www.yakujihou.com/kinousei/